開催日:2022年9月3日(土) 会場:3F多目的スペース・菜園デッキ 講師:後藤真太郎(立正大学)、横山和成(立正大学)、宮木丸美(もったいない塾) |
皆さん、「コンポスト」ってご存じですか?
「コンポスト」とは、野菜くずなどの生ごみを土にまぜて、土にすることです。コンポストの土は栄養分が高く、野菜や植物を育てるための肥料となります。そう、捨てるはずだった野菜くずからめぐり巡ってまた野菜ができるんですね!
まずは、食品ロスとコンポストのお話を、立正大学の後藤先生から伺います。
日本では年間1700万㌧の食品廃棄量があるそうです。食料自給率の低い国でありながら、食品ロスはそこそこにあります。
まず感じることは「もったいない!」ですが、その食品ロスをただのゴミではなく、土に埋めて堆肥化するコンポストであれば、ゴミを燃やさないので、地球環境に対して問題となる二酸化炭素の排出がありません。
さらに、コンポスト土は微生物の働きで栄養のある土となり、地球にとって、とても優しい捨て方です。SDGsの考え方ではいくつかの目標にまたがりますが、大きくは「つくる責任 つかう責任」に当てはまるでしょうか。
品川区の環境基本計画でも取り組まれていることのひとつです。
続いては、同じく立正大学の横山先生から微生物のお話を伺います。
土壌の中では、1グラムに1兆個の微生物が生きていて、それを顕微鏡で覗くとまるで天の川のように見えることから「土の中の銀河」と名付けられメディアでも紹介されました。
確かに100万分の1㎜の微生物が土壌に散らばる様子は、星のよう。「土の中にも命が光輝いている」と先生は表現されていました。 土壌微生物はそこにある植物と共に生きることをします。互いが生態系のバランスを取って、土に栄養を与えるのです。カビやキノコ、酵母も土壌微生物です。堆肥による栽培は豊かな土を作ります。
日本の土づくりは世界トップ!だそうです。横山先生もそれはとても誇らしいことだとお話されていました。
さて、3人目の講師である宮木さんは、品川区環境保全活動団体である「もったいない塾」をはじめ、区内のさまざまな分野で活動されている方ですが、本日はご自分のコンポスト経験談を披露くださいました。
「実際に作られたコンポストは温かいのよ!」と言う宮木さんに対し、子どもたちは自分の手でその温度を確かめます。
「あ、本当だ!」
生ごみは土壌微生物に分解され、サラサラになり、土の量は増えないのです。魔法のようです。
「46億年かけて地球の岩石と生きものから土はできていると思うと、大ロマンだ!」と宮木さんはおっしゃいます。
最後に、自宅でコンポストを始めるための土と微生物が活性するための、竹チップ、木くず、米ぬかなどをいれてそれぞれ持ち帰りました。参加者の皆さん、今後もぜひ近況や結果をエコルとごしまでお寄せくださいね!
(事業担当)