開催日:2022年12月17日(土) |
エコルとごしでは区内大学との連携や共同イベント開催を通じて、各大学生の専門分野を活かし、学生主体となって発表の場を持ち、区民と関わる機会をつくりたいと考えております。
今年度、清泉女子大学地球市民学科ではオープニングイベントでのブース開設、6月には環境問題事業講座を開いて頂きました。さらに発展し、同学科の学生がファシリテーターとなり、小、中、高校生をまたぐワークショップを開きたいとお申し出頂きました。
リーダーとなった藤井菜摘さんは環境問題を考えるときに、「土」は欠かせないものなのに、学校の授業や教科書ではあまり取り上げられないことに、疑問を持ちました。気象や汚染問題にくらべ関心や話題性にも乏しいと感じたところから、今回のワークショップは生まれました。もっと土について、若い世代に知ってもらいたい!
清泉女子大学 地球市民学科 藤井菜摘さん
青稜中学・高等学校にはSDGs部があり、日々自発的な活動をされています。
この企画をお声かけしたところ、ご快諾くださり、中高生合計15名の参加がすぐに決まりました。SDGs部はエコルとごしの「“もったいない食材”を みんなで食べよう!」のイベントの際、一緒にカレーライスを作ってくれました。その時に食材から出た野菜くずを、コンポストにして、保管しています。そんな経緯から、彼らも土には興味を持っています。
当日は6グループに分かれて、水の浸透率をみる実験をし、それについて感じたり考えたことを話し合うことで進行しました。
土は比較検討するために①千葉県長安町②埼玉県宮代町③埼玉県杉戸町の田んぼから頂いたものに加え、
④もったいないカレー野菜くずから作った培養土を使いました。ろ過装置のような作りの実験では、砂が多めの土は水があっという間に、落ちてきます。
粘土質のものは水がほとんど落ちません。
これは植物の栽培に必要な水や肥料の与え方に大きく影響します。
さらにはその4つの土を素手でさわって、違いを肌で感じてもらう、泥んこいじりが始まりました。
ある小学生が「土や砂いじりは小さい頃は身近だったけど、僕らが成長するにつれて、だんだん遠くなり、やらなくなってくる」と言いました。だけど見ていると全員がとても楽しそう。特に粘土質の土はみんながいつまでも飽きることなく、さわっています。
「あ、ありんこだ!」土の中からアリが現れました。現地の田んぼにいたのでしょう。
「土にこんなに違いがあることは今まで気が付かなかった」という声もありました。
「お米作りの土台になっている土の違いはきっと、作られたお米に味にも違いが出ていると思う。食べ比べしたい。」と言った高校生等、土に特化したこの時間で小学生から高校生までそれぞれが多くのことを考えました。
学年を超えて、お互いの意見をしっかり聞いたり、グループとして意見を出し合う姿が印象的。ひとつのテーマに対してディスカッションすることはとても大切です。
始まりは緊張気味だった小学生が、最後はしっかりと土について学んだ自信のある顔つきになっていました。
グループ内で話し合われたことは書き出して,みんなで見えるようにします。
最後にみんなの意見や姿を見ながら藤井さんがまとめます。
「土は場所によって違うことをわかっていただけたと思います。その中にいる微生物も様々ですが、それは私たち生命がつながり、生きていくのに欠かせないものです。命を循環させています。これを機に土についての意識が少し変わっていったり、大切に考えたりしてくれるとよいと思います。」
(事業担当)