「生き物の不思議⁈DNAの抽出実験」 |
地球には、約870万種前後の植物や動物が生息していると言われています。ただしその約90%はまだ発見や分類されていない未知の生き物である、というのは驚きです。
これらの生物はそれぞれが、生き長らえていくために環境に合わせて、様々な工夫をしながら、長い年月をかけて進化していきます。
例えば、身を守るために周りと自分の体の色を同じにして擬態する動物。
寒さが厳しい冬を越すのに、葉を地面に放射状に広げるロゼット植物など。
今や、ヒトがそれらの自然の形状を参考にして研究や開発に利用することもあります。例えばカワセミが水中の小魚を捕食するときに、急激な空気抵抗の差(空気中→水中→空気中)に耐えうるように、くちばしから頭部に掛けての形状が、トンネルの出入りの多い500系新幹線の製作の参考にされました。
さて、いよいよDNAのお話し。DNAとは、動植物が進化し、獲得した能力の記憶。普段は見えませんが、手段を用いて取り出すことが可能です。
最初の実験は、ウミホタルのDNAについてです。今回の実験に使用する乾燥ウミホタルは、保存が可能で、乾燥させた状態でも効果が見えるのでよく利用されます。乾燥ウミホタルを乳鉢と乳棒で細かくすりつぶし、適量の水分を与えると…
その刺激により微弱な発光をします。「ルシフェリン」という発光物質を分泌して発光します。これは外敵の威嚇と仲間への危険のサインとしての進化です
今回は中学校以降で行う実験道具の名前やその扱いなども教えていただき、とても実践的でした。
もう一つの実験はみんな大好きバナナ。先生は「実験用だから、食べてしまわないでください。」と注意されていました(笑)
ジップビニールパックに入れて、ぐちゃぐちゃに潰します。
ここに食塩水を加え、ろ過。透明な液体を取り出し
食器用洗剤を混ぜて、さらに消毒用アルコールを入れると、なにやら白い繊維のようなものが現れました!
これがバナナのDNA。よくイラストなどで見かけるDNAのらせん状構造の形ではありませんでした。あれは光学顕微鏡で見る様子だそうです。
地球上に生息するすべての「いきもの」たちは支えあいバランスを保って生きています。 生物多様性と言います。それがひとによる自然破壊などで、なんらかの種の絶滅につながり、それが生物多様性のバランスを崩すことになったら?
私たちの生活や自然との関わりを見直さなければなりません。
ゴリラ、ベンガルトラ、イリオモテヤマネコ、トキ、コウノトリなど、もはや絶滅危惧種が存在しています。DNAからいきものの存続について、そしてそのために私たちができることを考える講座となりました。
(事業担当)