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講師:髙須賀活良 [アーティスト・ディレクター]
髙須賀活良作品展「草木の恵みと布のものがたり」の関連イベントとして、作家の髙須賀さんをお迎えしてワークショップを開催しました。
私たちの身近な布はどうやって作られて、またどこへ向かうのか、講師から布について様々なお話を聞きました。後半は持参した古くなった布を使用して裂き織りを体験しながらオリジナルのコースターを作りました。不要になった布が再び新しい思い出の詰まった作品に生まれ変わります。
<参加者の声>
- 土から布や衣類が始まっていることに驚きました。
- コースターが簡単にできることがわかりました!家でも作ってみます!
- 染め見本を見ることができて面白かったです。
まずは布についてのお話です。私たちは生まれた瞬間から布に包まれ、それからずっと布に囲まれています。今着ている服は編み物かな?織物かな?まずは自分たちが着ている服の布について考えました。
また古代の人々はあちこちに生えている草木から糸を作り、布を作っていたというお話もありました。想像するだけでとても手間がかかっていることがわかります。私たちは今も綿や麻など植物繊維の服を着ていますね。布は今も土から始まり土に還るものということを教えていただきました。
自然の恵みから手間をかけて作った布は、最後まで大事に工夫して使われていました。このあとは、裂き織りという古くから日本で行われている織物の技法で一度役目を終えた布を再利用してコースターを作ります。
参加者には家にある古布や古着を裂いて紐状にして持参してもらいました。これは使わなくなった手ぬぐいだそう。
今回はエコルスタッフが段ボールで作った織機を使います。まずはタコ糸でたて糸を張っていきます。子どもたちも真剣です。
たて糸が張れたら一本おきに定規ですくい、よこ糸を入れて定規で打ち込みます。この作業を繰り返して織っていきます。
初めての作業に、「織物って難しいな~」「大変だな~」という声も聞こえましたが、徐々にコツをつかむと、あっという間に織物ができてきました。
色の種類を変えてオリジナルのデザインに!
織り終わったら、たて糸をカットして、ほぐれないように結んで完成です!
こちらはちょっと休憩中の様子。講師がいろんな草木を集めて織物にした標本や、貴重な草木染の染め見本も見ることができました。
最後は完成した作品を並べて、みんなで鑑賞。感想も聞きました。
おばあちゃんの着なくなった服を織り込んでくれました。
こちらはお母さんの着なくなったグレーのニットで。タグは残してそのまま織り込みました。
織物をするのは、たくさん工程があり少し大変だったかもしれませんが、みんなの思い出とアイディアがつまった愛着のあるコースターが生まれました。
不要になったとはいえ、まだまだ丈夫な布です。日本の伝統的な裂き織りを通して、環境にやさしい知恵と精神を感じました。
(事業担当)