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講師:菅家英朗[NPO法人海辺つくり研究会]
今の海にはどんな生き物が住んでいるのかな?どんな変化が起きているのかな?海をきれいで豊かにするための活動を行っているNPO法人海辺つくり研究会の菅家さんから、海辺のいまについて教えていただきました。写真や映像を見ながら学んだあとは、水質を調べる実験に挑戦。そして最後には、みんなの描いた魚たちがのびのび泳ぐアマモ場をつくりました。
<参加者の声>
- プランクトンや海のことについて知れた
- 池の水、海の水の中にたくさんの小さな生き物がいて感動しました。
- 実験やお絵かきができて楽しかったです!!
まずは、近くの品川や横浜の海について教えてもらいました。実は、エコルとごしのある場所も昔は海だったそうです…!さて、どんな生き物がいるのかな?
生き物たちが暮らす場所の1つに、アマモ場があります。アマモとは、海草の一種。「草」という漢字がつく通り、種子植物で、花も咲くんです!アマモは生活排水が流れても海をきれいで豊かに保ってくれることから、海辺つくり研究会ではアマモ場を広げる活動を行っています。苗に重しの紙粘土をつけて、田植えのように潮の引いた海に植えて…。野島海岸では、アマモ場が3年間で2000倍の大きさまで広がったとか!
では、海の環境が保たれないとどうなってしまうのでしょうか?20年前の横浜の海では、プランクトンの増殖により、貝などの自力で移動できない生き物が全滅してしまったそうです。会場からは「ええっ!?」と驚きの声が上がりました。
さらに、アマモ場を広げることでもう1つの良いこと…ブルーカーボンが期待できるんです!グリーンカーボンが陸上の植物により吸収される炭素のことであるのに対し、ブルーカーボンは海中に吸収される炭素のことを意味します。ちなみにアマモには、「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ」や、見た目が似ていることから「ニラ藻」「アジ藻」の別名があるそうです。
前半の最後に、小さな可愛いブルーカーボンの教科書のような、折り本が配られました。この折り本は、当時小学校3年生のお子さんが作成されたものだそうです。
早速休憩時間中に取り掛かっている子も。上手につくれるかな…?
休憩時間が終わって、いよいよ後半戦。
水の汚れを調べる実験に挑戦します。用意されたのは、パックテストという水質の簡易測定器と番号のついた紙コップ。中には水道水、エコルとごしのお隣にある文庫の森の池の水、アマモが住む海の水がそれぞれ入っています。どのカップがどの水か、わかるかな?
スポイトのように吸い込み、ゆっくり混ぜると色が変化します。きれいな水はピンク色に、汚れていると青色に近づいていきます。これは1番の水道水!2番が池の水、3番が海の水でした。
3種類の水の違いが分かったら、1番の水道水に豆乳を加えてもう1度実験。どんなふうに変わったかな?
なんと、ほんの数滴で青色に近い色になりました。
水の違いを実験で確かめたあとは、実際のアマモが住む海水を観察しました。もぞもぞ動く動物性プランクトンを発見すると、「うわ~!動いてる!!」と楽しそうな声が聞こえました。
最後は自由に海の生き物の絵を描いて、みんなでアマモ場をつくりました。
実際にアマモ場に住んでいるもの、そうでないもの…素敵な生き物がたくさん集まりました!これから先、海の環境はもしかしたら悪くなっているかもしれません。そうならないために、自分ができることを考え、これからもたくさんの生き物が暮らせる海を、みんなで守っていきましょう!
(事業担当)