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イベントレポート

2024/9/7 特別講演会「環境保護のためのナショナル・トラスト運動」

# 講座・ワークショップ

講座概要はこちら
講師:安齋 徹
[清泉女子大学地球市民学科教授/日本ナショナル・トラスト協会 個人賛助会員No.1]

「ナショナル・トラスト運動って何?」「イギリスと日本での違いは?」ピーターラビットやトトロといった人気キャラクターを糸口に、ナショナル・トラスト運動の始まりや現在行われている活動など、幅広くナショナル・トラスト運動について学びました。

<参加者の声>

  • ナショナル・トラスト運動について何も知らなかったが、よく理解し、環境保全に取り組みたいという気持ちが高まりました。
  • 映像を多用して飽きさせない講義でした。大学生の活動の様子を見て、若い力の必要性を感じました。
  • ピーターラビットとトトロはナショナル・トラストととても深く関わっていることに驚きました。イギリスに行って実際に見てみたいなと思いました。

講師を務めていただく安齋先生は、大学での卒業論文のテーマとして「環境保護のためのナショナル・トラスト運動」を選定して以来、日本ナショナル・トラスト協会の個人賛助会員になり、英国湖水地方を訪ね、ボランティアや企業のCSR活動の一環としてナショナル・トラスト運動と関わってこられました。

講演会が始まると、ピーターラビットとトトロのぬいぐるみが登場し、さっそく安齋先生から参加者の皆さんへ質問が。「皆さんは、どちらのキャラクターが好きですか?」

 実は、どちらのキャラクターもナショナル・トラスト運動と深い関わりがあるんです!

「ナショナル・トラスト運動」は、産業革命が進む19世紀にイギリスで始まりました。土地開発や自然破壊が進む中、市民がその土地を買い取って、自然環境や歴史的建造物から守ろうとしたのです。そんなイギリスでのナショナル・トラスト運動に大きく寄与した人物の一人に、今も多くの人々に愛される「ピーターラビット」を生み出した、ビアトリクス・ポターがいます。ポターに『ピーターラビットのおはなし』の出版の話を持ちかけたのは、ローンズリー牧師。ポターは彼の行っていたナショナル・トラスト運動に感銘を受け、約4,000エーカーにもおよぶイギリス湖水地方の土地をナショナル・トラストに寄付したといいます。

では、日本ではどのような活動が行われてきたのでしょうか?公益財団法人「トトロのふるさと基金」は、映画『となりのトトロ』の舞台となった狭山丘陵を土地開発から守るため、ナショナル・トラストの活動を行っています。そうして買い取られた森は「トトロの森」と名付けられ、トトロのふるさとの景色は大切に守り続けられています。

イギリスと日本、それぞれの国でのナショナル・トラスト運動について学んだところで、安齋先生からまた質問が。

「英国ナショナル・トラストと日本ナショナル・トラストの違いは、何だと思いますか?」

最初は静かだった部屋の中で、話し合いの声が少しずつ大きくなっていきます。皆さん真剣な表情で考えてくださいました。

表で答え合わせをしてみると…形態、歴史、会員、税務など、さまざまな違いがあることがわかりました。加えて、日本での草の根的な活動の広がり方の場合、高齢化による後継者の必要性といった課題も見えてきました。

最後に、安齋先生が英国ナショナル・トラストの理念を改めて教えてくださいました。

「ひとりの人の1万ポンドよりも、1万人の1ポンドずつを」

多くの人の小さな協力があってこそ、自然が守られていく。一人ひとりの心がけが地球の環境を守っていくということが、よくわかりました。

(事業担当)

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