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講師:一般社団法人環境教育振興協会
「エコル自由研究WEEK」の第1弾。 開館初年度に開催し大変好評だった「バナナのDNAを抽出する」実験講座、まずは前半部分では生き物の多様性についてクイズを交えて楽しく学びました。
<参加者の声>
- DNAがとれることにびっくりした
- DNAをとるのはむずかしかったけれど、すごく楽しかったです。
- くわしいことをちゃんとはなしてくれたからとてもとてもとてもとてもとてもよかったです。
「品川区に住む生き物はどれ?」「枯れ葉に擬態(ギタイ)しているカエルは何匹いる?」獲物によって進化した鳥のくちばしの絵から「肉食の鳥のくちばしはどれ?」といった生き物に関するクイズに参加者は大いに盛り上がったあと、生き物の能力に関する実験です。
最初の実験はウミホタルのDNAについてです。ウミホタルという生き物は持っていて、ヒトにはない能力を実験により観察します。今回使用する乾燥ウミホタルは、保存が可能で、乾燥させた状態でも効果が見えるのでよくこのような実験に利用されます。乾燥ウミホタルを乳鉢と乳棒で細かくすりつぶし、適量の水分を与えると・・・
ウミホタルはその刺激により微弱に発光をします。「ルシフェリン」という発光物質を分泌(ブンピツ)して発光します。これは外敵への威嚇(イカク)と仲間への危険のサインとしてこのような進化をしました。
青く発光したウミホタルの幻想的な光に参加者の子どもたちは「光った!」と歓声を上げ一緒に参加していた保護者の方々も目を輝かせて熱心に見入っていました。ここまでクイズや実験で学んできた生き物の能力やそのもののもとになっているのがDNAであることを理解しました。
さて、第2部はいよいよバナナのDNAを抽出する実験です。第1部で学んだDNA、今回はおいしそうなバナナを使います。食べるのを我慢して、チャックポリ袋に入れてやさしく、ぐちゃぐちゃにつぶし、ここに食塩水を加え、ドリップコーヒーのフィルタでろ過。
透明な液体を取り出しこれに中性洗剤を混ぜて、さらに消毒用アルコールを入れると、析出(セキシュツ)してきます。DNAと言えば二重らせん構造のイメージがありますが、それは電子顕微鏡で見える世界です。
今回取り出されたDNAはドロッとした糸のような、筋のようなもの。それを竹串ですくいあげて別の容器に取り出し保管します。この取り出し実験でも保護者を含めた参加者が目を凝らして真剣に取り組んでいる姿がとても楽しそうでした。
それぞれの生きものがそれぞれのDNAを持ち、多様性を維持しています。地球環境の破壊が進むと、そんな素晴らしい世界が変わってしまうかもしれません。オリジナルムービー「エコルといっしょに考えよう!SDGs」のメッセージに登場する恐竜くんのお話によると、現在、地球では6度目の生物大絶滅の危機が迫っているとのこと。過去の5回は隕石の衝突などが原因だったのですが、今回の絶滅の危機の原因はわれわれ人間の活動だそうです。この生きもののバランスを壊さないようにするのはどうすればいいのか?私たちは今、何をしなければならないのか、そんなことも考えさせられる今回の実験講座でした。
(事業担当)