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柿森麻衣子[東京サラヤ株式会社 CSR推進課]
講座の前半は自然由来で肌と自然にやさしい石けんを使って、アイスキャンデーのようなきれいな石けんバーを作ります。その後は、石けんの原料としても使われているパーム油について学びます。1950年代に伝染病の予防のための手洗い洗剤を開発して創業したメーカーSARAYA(サラヤ)。現在も「衛生」「環境」「健康」をキーワードに製品作り、環境保全に取り組まれています。
今回は、区内企業でもある東京サラヤ株式会社の柿森さんから、60年代の公害問題をきっかけに、洗剤の原材料を自然界で分解されにくい石油から自然由来の油に変更したことや、現在さまざまな形で使われているパーム油のこと、その生産における環境破壊と保全への取組みなどのお話を伺いました。食品・洗剤など私たちが日常的に消費している身近なものについて、原材料や製造工程を知ることは、環境を守ることに繋がっています。
<参加者の声>
- わかりやすくおもしろかったです。かわいい石けんが作れ、子どももうれしそうでした。
- パーム油についてよくわかりました。動物が好きな子どもにとってボルネオのプロジェクトは印象に残ったと思います。
- 楽しかったです。パーム油について初めて知りました。
透明石けんを溶かして色を付け、アイスキャンディーの型に入れて冷やし固めます。
型から外すと、アイスキャンディーのような石けんが出来上がりました。
ソープバーの上に飾るパーツも石けんで出来ています。講師の柿森さんの手作りで、花、ベリー、動物、工具など楽しい形がたくさん!どれを飾ろうか迷いますね。
溶かした石けんを接着剤にして、選んだパーツを付けていきます。ピンセットを使った細かな作業。みんな真剣です。
後半は、パーム油についてのお話です。パーム油ってどんな油なのでしょう?石けんや洗剤、そして広く食品(加工品)に使われていて、私たちが毎日使っている油です。意識することなく口にしたり、使ったりしているので「見えない油」と呼ばれることもあります。
世界中で広く使われているパーム油。食用油の中では世界で一番多く生産されています。日本でもたくさんのパーム油が使われています。
クイズに答えながら、パーム油について学びました。
大量のパーム油を生産するために、原生林を切り開き、ヤシ畑にした結果、そこに暮らしていた動物たちに深刻な被害が及びました。現在は一度人間の手で壊してしまった自然を買い戻し、自然の森に還す取組みも行われています。
パーム油から見えてくる、人間の暮らしと自然環境、野生動物との共生。安くて便利を追い求めるばかりでなく、その背景を知ることが、持続可能な世界に繋がるのかもしれません。エコルとごし3F常設展示スペースでは、パーム油をはじめ暮らしと環境の繋がりをわかりやすく展示しています。ゆっくりご覧いただけると嬉しいです。
(事業担当)