日時:7月31日(月) 10:00~11:00 講師:宮木 丸美 もったいない塾(品川区環境保全活動団体) 場所:3F 多目的スペース |
今年エコルとごしはコンポストはじめました。エコルオリジナルのコンポスト箱を入手したのです。『土がえるくん』と名付けて菜園デッキにあります。
なかなかよい仕事をしてくれている頼もしい土がえるくん。
野菜くず、コーヒーの出がらし、竹材を加工したときに出る粉、講座で使用した生海苔等などなど、エコルコンポスト愛称「土がえるくん」にはいろいろなものが入っています。
そのたびに発酵して分解され、熱を発していつの間に元の形が見えなくなり、堆肥になっていきます。不思議ですね。
さて、もったいない塾の宮木さんのお話しを聞くとそんな不思議について、その答えが見えてきます。
そもそも『土』ってなんだろう?宮木さんは土を説明するのに、46億年前の地球の誕生にさかのぼりました。小さな惑星どうしがぶつかって生まれた地球の地表は、マグマの海。その後徐々に温度が下がり、そこに含まれていた成分や岩石から地球の土のもとが作られたと言われています。
「よく古い化石が発見されたという話題があがるけれど、土って化石よりもっと前からあった地球のもとなのよ!すごいでしょう。」と宮木さんはみなに話しかけます。
生き物が、微生物、水分、酸素の力で分解、発酵されると、栄養分が土に入ります。これが「土壌」と呼ばれます。植物や野菜、樹木が育つのには土ではなく、土壌が必要。自然からも生成されますが、私たちの暮らしの中から栄養のある土壌をつくってあげることもできます。しかも本来は捨ててしまう野菜くずや落ち葉を使って!
宮木さんは30年ほど前からコンポストが身近にありました。当初は長野県の別宅の敷地にコンポストが設置されていて、(長野県はゴミの排出量が少ない都道府県として名高く、ゴミ減量のための取り組みを積極的に行っている)、なぜ生ゴミを入れても土が増えないのかという疑問を持ったそうです。
好奇心が旺盛で、すぐに行動を起こす宮木さんは土、その中にいる微生物について次々に学習します。
・自宅のプランターコンポストは何度か、どぶのような臭いコンポストになってしまったこと。
・発酵促進をさせるために、竹チップが良いこと。これは日本の荒れた竹林を救うのに一役買う。
・お金をかけずにたとえば、ダンボール、洗濯ネット、古いプランターとその中に放置した土などを利用したコンポストでも、生ゴミが消えること。
・コンポストでできたたい肥は、1か月くらいおいてから使うこと。植物に強すぎることがある。
ご自分の体験からのコンポスト術をたくさん聞くことができました。最近ではコンポスト利用で、生ごみが分解されなくなることを【ドロンパ】と名付けているそうです。
そのお話を聞いて、コンポストやってみたい!という気になった参加者は多いはず。
まずは本当に野菜くずや生ごみが土の中で分解されていく様子を観察してほしく、ペットボトルに黒土入れたものと竹チップを持ち帰って、実験してもらうよう提案しました。
コンポストは最近ブームのようにも見えますが、実は今に始まったことではなく、現代のライフスタイルやサイズに合わせています。それで楽しく、役立つならぜひトライしてほしいです。
土は初めに聞いたように地球のもとです。人は土といっしょに健やかに生きてきました。それは土の持つ力が影響しているようです。近年、認知症やうつ病が増えているのは、土と離れる都市生活だからかもしれない。そんなことも考えられるとの宮木さんのコメントもありました。
今、私たちはもっと土に触り、においをかぎ、身近に生活することが求められているのでしょうか。
(事業担当)