このブラウザは動作対象外となる予定です。
引き続きエコルとごしのサイトをご利用いただくには、
サポートされているブラウザに切り替えてください。

※ダウンロードやインストール方法などにつきましては、
ブラウザの提供元へお問合せください。

活動レポート・ブログ

2024/5/26 日本在来コットン(和棉)の糸つむぎ

# イベントレポート

講座概要はこちら
(講師:トミザワタクヤ [NPO法人 東京コットンビレッジ])

いま身に着けている洋服の素材は何ですか?
この時期になるとTシャツを着る機会が増えると思いますが、Tシャツの素材はコットン(綿)が多いですよね!最近はオーガニックコットンも良く見かけるようになりました。コットン素材の洋服や布は糸の集合体!とはなかなか考えないかもしれませんが、もとは「わた」で、綿は春に種をまき、夏に花が咲き実をつけ、秋には綿に成り、収穫します。収穫した綿を紡いで糸になり、糸を織って布になります。

<参加者の声>

  • なかなか経験できない糸つむぎができてよかったです。
  • 糸つむぎのいろいろなことが学べてとてもたのしかったです。
  • 初めて知る言葉や道具など、今回体験して良かったです。綿花の歴史、糸の歴史、次の世代につないでいく大事な文化、そして地球の話なんだと思いました。

初めて見る植物としての棉や、初めて見る道具にみなさん興味津々。綿の歴史や種類、栽培方法をなどを教えてもらいながら、棉を触ってみます。かつては日本にも「和棉(わめん)」と呼ばれた在来種のコットンがありました。しかし、現在日本では栽培しておらず、自給率は0%。ほとんどは海外で栽培された綿から洋服が作られています。今回は各地域で育った貴重な和棉やめずらしい地域で育った棉(めん)をたくさん見せてくれました。

使い方を教えてもらい、早速1つ目の工程「棉繰り」をやってみます。

棉繰りとは種を取り除く作業です。この棉繰り機さん、なんと100歳くらいになるそうです!!

2つ目の工程は「綿打ち(カーディング)」という作業です。ハンドカーダーという道具を使って、わたをはさんでとかすように細かい不純物を取り除き、繊維を一定方向に整えます。
ちなみに、収穫されたばかりで種のついた状態のわたを「棉」、種が取られたものを「綿」と表すそうです!

簡単そうに見えて、なかなか難しいです。みなさんここまで真剣で笑顔がありません(笑)。

きれいに整ってくるとふわふわになります♪ 次の工程の準備。

こんなにふわふわっ。笑顔が戻ってきました!

最後の工程はいよいよ「糸紡ぎ」。ふわふわの綿を少しずつ指で撚(よ)っていきます。ゆっくり、でも恐れず、繊維を引いていきます。

糸になってきました!初めは途中で切れてしまうことがありますが、心配いりません。切れたわけではなく、解けてしまっただけ。ぎゅっと繋いでいた手が離れてしまっただけ。また繋ぎなおせば良いのです。

30cmくらい指で紡いだら、スピンドルというコマのような道具でくるくる回しながら、紡いでいきます。慣れてきて少しペースがあがってきました。
東京コットンビレッジさんで使用しているスピンドルは、大田区の就労支援施設で1つ1つ手作りで作られているものです。

紡いでいる感覚がつかめると、だんだん細く見慣れた糸になってきました!みなさん、個性豊かな自分の糸ができました!

アパレル・繊維産業は世界第2位の環境汚染産業と言われています。
その理由の1つは大量の水を使用すること、大量の汚染水を出していること。コットンの栽培も例外ではありません。海外の安価なコットンは大量の農薬を使用し、大量に栽培しているケースがほとんどです。その農薬水が土壌に流れ、川に流れ、海に流れ、生態系を破壊します。栽培している労働者は農薬によって皮膚が荒れてしまったり、農薬を吸い込んでしまったり、健康に大きな害が出ています。
そんな背景を思うと、少しでも人間に、環境に、地球に優しい商品を選びたくなりますよね。

最後に余談ですが、
『紡ぐ』という言葉は、糸を紡ぐ以外にも「言葉を紡ぐ」や「未来を紡ぐ」などの比喩的な表現に使われます。素敵な日本語ですね♪

(事業担当)