3月26日(火)~4月21日(土)まで開催している大型企画展 山本彌作品展「小さな生き物たちの大きな世界」。その関連イベントとして、山本彌さんによるワークショップを開催しました。
自分が小さい頃に着ていた服やお気に入りだった布小物などを家から持って来てもらい、それをほどいたり、ハサミを入れて、それらを素材として「わたしの種」を作ります。「種」は植物が次の世代に命をつなぐ大切なものです。今回作る「わたしの種」にも大切な思い、好きなこと、好きなものなど自分が大切にしていることを紙に書いて、それを芯にして種を作りました。2時間のワークショップで参加した子どもたちは、自分の気持ち、記憶と向き合って創作をしました。
<参加者の声(原文ママ)>
- 自分の思いどおりに作品をつくれたので、とってもよかった。
- 種を作るための材料で、自分だけの種を作れてよかった。またエコルとごしのワークショップに参加したい。
- ステキデシタ。つかえなくかったものを生きかえる。
種は次の世代に命をつなぐために、様々な工夫をしています。色々なタイプの種があることを教えてもらいました。以下3つのタイプ以外にも、種にトゲトゲが付いていたり、動物にくっついて遠くまで運んでもらったりする種もあります。
- 火のタイプ・・・火山の爆発や、山火事の熱をきっかけに種がはじけて芽を出すよ。
- 水のタイプ・・・水の中深くにもぐっても生き残る強い種だよ。
- 風のタイプ・・・種に羽のような形が付いて、風にのって遠くまで飛んでいくよ。
自分が大切に思っていること、大好きなこと、大切なものなど、自分の気持ちと向き合って正直な気持ちを紙に書きます。これは誰かに見せることも、発表することもないので自分の書きたいことを自由に書いてもらいました。
文章とイラストで大切なことを表現する人もいました。
思い出のある服にハサミを入れていきます。
赤ちゃんのころに使っていたスタイ。縁取りをほどいて、ていねいに解体していきます。
細くきったらこんなに伸びるよ!
服を切ってみると、糸が出てきたり布の性質がわかります。
さらっとしたもの、ふわふわしたもの、手触りもそれぞれちがいますね。
一枚のシャツでもいろいろな部分がありますね。
どこをどう使おうか、手を動かしながら思考を深めていきます。
色々な色を組み合わせて、イメージを形にしていきます。
お父さんお母さんは、後ろで見守ってくれています。ひとりひとり、自分に集中して作りました。
ひとつひとつの作品に、ひとりひとりの物語があります。
2時間かけて作りこんだ「わたしの種」
標本箱のプレートのように「種の名前・特徴・種がとれる場所」を書いて完成です。
全員の作品を並べて、1人ずつ「わたしの種」を紹介しました。
ひとりひとりの思いがこもった素晴らしい「わたしたちの種」ができました。
山本さんからは、「今日作った種を時間が経って見た時に、また今日のことを思い出して、自分が大切にしていたことを振り返ってみたり、この服を着ていた時のことを思い出してくれると思います。この服を着ていたとき、お父さん、お母さん、家族の愛情に包まれて大切にされてきたことを感じてくれると嬉しいです。」とお話がありました。
衣服は私たちを包むもの、子どもたちはどんどん成長して衣服は小さくなり、それを脱いで次の段階に進みます。自分の中にある種を忘れないでたくましく成長していってくれることでしょう。
(事業担当)