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1年
1年には四季があり、季節ごとのきれいな風景、楽しいイベントがたくさんあります。
しかし近い将来、地球温暖化によって、そんな1年が失われてしまうかもしれません。
地球温暖化が進んだ未来を訪ねてみましょう。
降雪の不安定化
憧れのパウダースノー
ウィンタースポーツシーズン真っ盛り
降雪の不安定化
短くなるウィンタースポーツシーズン
日本には世界有数の豪雪地帯があり、良質な雪を求めて海外からも大勢の人々が訪れています。
しかし、近年、利用者とスキー場の数は年々減少しています。原因の一つと考えられるのが、地球温暖化による雪不足です。多くのスキー場が、雪不足で営業期間を短縮せざるをえなくなっているのです。
降雪の不安定化
スキー場から雪が消える?!
花粉の飛散量増加
美しいスギやヒノキの里山へ!
花粉の飛散量増加
気候変動が花粉の量を増やす
つらい花粉症の原因となる花粉の量が、気候変動にともなって増えているといわれます。
日本の研究者は、猛暑の夏の翌年は花粉の飛散量が増大することを明らかにしました。また、「気候変動によって花粉の産出量が著しく増え、2040年(令和22年)までにその量は倍増する」と警告する研究者もいます。
地球温暖化が進むと、花粉症に悩む人がますます増えてしまうのでしょうか。
花粉の飛散量増加
花粉症がひどくなるかも?
サクラの開花晩期化
春の到来を告げる
あの目黒川のサクラが・・・?
サクラの開花晩期化
開花日を遅らせる地球温暖化
目黒川の桜並木をはじめ、品川区にはサクラを楽しめるスポットがたくさんあります。
サクラは冬の間に休眠し、ある程度低温にさらされることで休眠を終え(休眠打破)、春の気温上昇とともに花芽が成長して開花します。つまり、サクラの開花には冬の低温が必要なのです。
しかし、地球温暖化で冬の気温が上がると開花が遅れたり、開花できなくなるという予測もあります。
いつかサクラの見られない春が来るのでしょうか。
サクラの開花晩期化
いずれ開花しなくなる?!
ホッキョクグマの絶滅
地上最大の肉食動物ホッキョクグマ
ホッキョクグマの絶滅
食べるものも生きる場所もなくなる?!
加速する夏場の海氷の縮小
海氷はホッキョクグマにとって狩りや子育てをする生活の場です。
近年、気温の上昇により、北極海の海氷の面積が春から夏にかけて急激に減少し、海氷全体が薄くなっています。地球温暖化が進むと、海氷はさらに縮小し、さらに薄くなる可能性があります。
ホッキョクグマやアザラシの数が減少するなど、すでに生態系への影響が出はじめています。
水不足リスクの増大
水をいっぱいに満たした東京の水源
水不足リスクの増大
雪が減ると水不足のリスクが高まる
近年、豪雨の回数が増えている一方で、雨や雪が降る日数は減っています。そのため、毎年のように渇水が発生し、川から浄水場に送る水の量を減らす「取水制限」が行われています。
取水制限になると、作物のための農業用水、風呂やトイレなどの生活用水が制限されたりします。今年も学校のプールが使えない・・・なんて時代が来るのでしょうか。
水不足リスクの増大
水不足でプールが使えなくなる?!
梅雨の異常化
しとしと降る雨と美しいアジサイ
梅雨の異常化
梅雨は危険な豪雨の季節に?
毎年のように水害に襲われる
雨の降り方が変わってきました。100年以上にわたる観測記録から、一年間の降水量では大きな変化がない一方で、一日の降水量が100
mmを超える豪雨の日数が増加していることが明らかになりました。
それにともなって、土砂災害や水害も増えています。がけ崩れや土石流、河川の氾濫など、生命にかかわる重大な被害が毎年のように発生しています。
感染症の増加
夏休み! 虫取り網をもって林試の森公園へ!
感染症の増加
地球温暖化で広がる感染症のリスク
ヒトスジシマカは、熱帯・亜熱帯に多い感染症「デング熱」の原因であるデングウイルスの運び屋です。デング熱にかかると急激に高熱を発し、頭痛・関節痛や発疹が生じます。
ヒトスジシマカが生息する地域は年平均気温が11℃以上の地域とほぼ一致します。日本での北限は、関東から北東北へと移動しており、感染リスクが広がっています。
真夏でも、長そで、長ズボンで出かけなければいけない日が来るのでしょうか。
感染症の増加
半そで、半ズボンで遊ぶのは危険?!
熱中症リスクの増加
夏を盛り上げる品川区の祭り!
熱中症リスクの増加
猛暑は生命にかかわる重大事
100年近くにわたる観測記録によると、近年、一日の最高気温が35℃以上の「猛暑日」の数が増える傾向にあることが明らかです。一日の最低気温が25℃より下がらない「熱帯夜」も同様です。
これにともなって、熱中症になる人が増え、死亡者も少なくありません。
例年多くの人でにぎわう「大井どんたく」も「とごしぎんざまつり」も、開催できなくなる日が来るのでしょうか。
熱中症リスクの増加
熱中症による被害が増える!
災害の激甚化
夏空にわき立つ入道雲!
災害の激甚化
地球温暖化で台風が強大化
南の海で生まれた台風は、海水面からの水蒸気をエネルギー源として成長しながら北上してきます。地球温暖化で海水温が上がると水蒸気の量が増えるため、台風は今後、より強大化していくと考えられています。
最近は、台風が直接東北地方に上陸するケースも出てきました。気象庁が台風について統計を開始した1951年(昭和26年)以来、一度もなかったことです。こうした台風の進路の変化にも、地球温暖化が大きく影響しているといわれます。
災害の激甚化
スーパー台風がひんぱんに日本を襲う!
不作・不漁
実りの秋 食欲の秋
不作・不漁
猛暑でそこなわれる農作物の品質
稲は、細胞ごとにデンプン(※)が詰まっていく時期に高温などにさらされると、デンプンが詰まりきらないうちに発育・成熟してしまい、米粒の内部が白く濁った白未熟粒や、米粒に亀裂が入った胴割れ米などが発生する場合があります。
稲に限ったことではありません。地球温暖化が進むと、多くの農作物で品質低下や収穫量変化、水産物の漁獲量変化などが起こると予測されています。
(※)デンプン:植物の光合成でつくられる多糖類で分解されてエネルギーとなる。ご飯の甘味、粘りのもとでもある。
不作・不漁
おいしい米が食べられなくなる?!
紅葉の晩期化
鮮やかに秋を彩る
池田山公園の紅葉が・・・?
紅葉の晩期化
朝晩の冷え込みが美しさを生む
落葉樹の紅葉・黄葉の時期が年々遅くなってきています。
たとえば東京のイロハモミジ。1960年(昭和35年)ごろは11月中旬に紅葉のピークを迎えていましたが、今は12月にずれこんでいます。
紅葉のスタートには朝晩の冷え込みが大事で、地球温暖化が紅葉を遅らせている原因だと考えられています。北海道では、紅葉しないまま落葉する珍事も報告されています。
やがて、池田山公園など、区内の美しい紅葉も見られなくなってしまうのでしょうか。
紅葉の晩期化
色づきが悪いまま落葉も?!
渡り鳥の変化
数千kmを旅する渡り鳥たち
渡り鳥の変化
冬鳥の滞在期間が短くなる
シベリアなどに住んでいて、冬を越すために日本にやって来る鳥が冬鳥です。
近年、飛んで来る時期が遅く、帰っていく時期が早くなる傾向がみられます。たとえばツグミは、23年間で40日以上も滞在期間が短くなりました。宮城県の伊豆沼にやってくるマガンについても、滞在期間が短くなっているとの報告があります。地球温暖化の影響で「冬」が短くなっていることが原因ではないかと考えられます。
渡り鳥の変化
カモもハクチョウも見られなくなる?!
問い :一番長く感じる季節はいつ?
選択肢:春 or 夏 or 秋 or 冬
四季のない日本の1年を、みなさんは想像できますか?